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サバイバルヘルパー

第6章 水

 これ以上、動くと危険だ。


 前に力を入れると、間違いなく抜ける。


 かといって、位置を変えようとすると、痛めた足に圧がかかる。


「あははは、動けないじゃ〜ん」


 笑ってる場合ではないが、笑いがでる。


 自ら窮地に立ってしまったからには、どちらかを我慢しなければならない。


 だが、解決策はすぐに見付かった。


「このまま、ゆっくり横になる」


 両ひざをつき、ゆっくりと体を四つん這いにもっていく。


「これで、かかる力は分散する。この状態で、犬のように進めばいいんだ。うん、頭いいねぇ、俊輔くん!!」


 右手を前に出し、次に左足を前に出した。


 続いて、左手を前に出し、右足を出した。




『バリバリバリバリ!!』


「うわあっ!!」


 床が抜けた。


 俊輔は四つん這いのまま、落ちた。


「なんということでしょ〜、しっかりと打ち付けられた廊下の床板に、一瞬にして、大きな穴が空いたではありませんか……言ってる場合じゃねぇ! いてぇーっ!! 助けてくれ、匠い!!」



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