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サバイバルヘルパー

第6章 水

 もちろん、叫んでも間取りのスペシャリストなど来るはずもなく、誰もいない無人の空間で頼れるのは他にはいないため、自力ではい上がるしかない。


 腕に少し、かすり傷を負ったが、それ以外にケガはないようだ。


「木が腐ってんだな……て、ことは、この家そのものが怖いじゃねえか」


 床の下はすぐに土が見えている。しかも、ぶよぶよだ。


「もとから欠陥か? 違うよな?」


 俊輔は泥だらけになりながら、はい上がる。


「床はダメだな。こいつで叩いて固そうな音なら進もうか」


 俊輔は持ってきた釣竿の柄の部分で、固そうな場所を叩いて確かめた。


『ボグッ、ボグッ、ボグッ、コンッ!!』


「音が変わったか……」


 そこに大きく足を上げて、踏み込んだ。


『バリバリバリバリ!!』


 板ごと抜けた。


 約、3メートルほどの床をぶち破りながら進み、なんとか台所まで足を運んだ。


 台所までくると床はセメントで埋められ、幾分歩きやすくなった。


 戸棚を開けてみるが、特にこれといって手にいれたいものはなかった。


 包丁があれば……いま、ほしいのは鎌以外の刃物系だ。



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