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サバイバルヘルパー

第6章 水

「これでも、滑らかな石でもあって研磨したら刃がつくんじゃないか?」


 使えそうなものは、とりあえず持っていく。自ら工夫をして、代用品にする。


 サバイバルはもちろん、アウトドア経験のない俊輔にとっては、これでも救いのアイテムだ。


 だが、まだ命を繋げるものを見つけていない。


「この家の炊事場には、水道の蛇口がないな」


 その下には、バケツや桶がいくつも重ねて置いてある。


 この島で生活をしていた人達は、ここに水を貯めていたのだろう。


 見た限り、ここには井戸らしきものは見当たらない。


 崩れた土壁に、トタンが貼られた板がはめ込んである。


 裏口の扉だと思われる。


 普通に蹴ったら、ぶち破れた。


「防犯対策、弱すぎるだろ。てか、ここ一帯の家は、ほとんどこんな感じなんだろうな」


 外に出ても、地面はそれほど固くない。


 だが、雑草だけは強く根付いてる。俊輔の腰の高さまである草が、伸び放題で群生している。


「草ばっかりだな。土がやわいからかな?」


 草が生い茂る向こう側には、長屋のように家が連なっているのが見える。




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