
サバイバルヘルパー
第6章 水
ここはまだ、床はしっかりしている方だ。
やや足は沈むものの、突き抜けることはなかった。
ゆっくりと慎重に、一歩ずつ前進。時折、耳に入る「ペキッ」が、おのずと足を止める。
呼吸を整え、床を労るように足の位置を変え、どこに埋まっているかわからない地雷を探るようにして歩く。
光が見える位置まで移動できた。どうやら、中庭があるようだ。
「あそこまで行けば、なにかあるかもしれない」
そこには、なにもないかもしれない。また、自分の想像をこえる、素晴らしいものがあるかもしれない。
なにもないかもという、思いのほうが強かった。
俊輔が佇む位置から見えるのは、扉のない口を開けたままの入り口だ。
そこには手入れせずに、ほったらかしたまま、伸び放題の草が見える。
こんな場所にはなにも期待出来ない。
だが、子供の頃に体験した、誰も入らない場所を冒険したり、秘密基地を作る時のようなワクワク感が十数年ぶりによみがえったような気がした。
ただ、行って見てみたい。
それだけが、俊輔を動かしていた。
心の中では「遺体がありませんように」と常に、祈っていた。
やや足は沈むものの、突き抜けることはなかった。
ゆっくりと慎重に、一歩ずつ前進。時折、耳に入る「ペキッ」が、おのずと足を止める。
呼吸を整え、床を労るように足の位置を変え、どこに埋まっているかわからない地雷を探るようにして歩く。
光が見える位置まで移動できた。どうやら、中庭があるようだ。
「あそこまで行けば、なにかあるかもしれない」
そこには、なにもないかもしれない。また、自分の想像をこえる、素晴らしいものがあるかもしれない。
なにもないかもという、思いのほうが強かった。
俊輔が佇む位置から見えるのは、扉のない口を開けたままの入り口だ。
そこには手入れせずに、ほったらかしたまま、伸び放題の草が見える。
こんな場所にはなにも期待出来ない。
だが、子供の頃に体験した、誰も入らない場所を冒険したり、秘密基地を作る時のようなワクワク感が十数年ぶりによみがえったような気がした。
ただ、行って見てみたい。
それだけが、俊輔を動かしていた。
心の中では「遺体がありませんように」と常に、祈っていた。
