テキストサイズ

サバイバルヘルパー

第7章 食料調達

 竿を振り、餌を池の中に……入れる前に、なにかがヒットした。


「えっ!? さっそく?」


 竿を引っ張る。そこそこの重みが手に伝わる。


「鯉の重さじゃないな。なにが釣れた!?」


 獲物はバタバタと暴れてはいたが、やがて落ち着き、ついに水面から顔を出した。


「な、なに?」


 ブラーンと、されるがままに釣り上げられたのは、でかいカエルだった。


「うっわっ!! 気色悪っ!!」


 俊輔は竿を持ったまま、腕を伸ばして遠ざける。


 カエルは釣られた状態で、手足をダラリと下げている。


「なんだ、このでかいカエル……ヒキガエルじゃねえな。ガマガエル?」


 俊輔が釣り上げたのは、食用にもされるウシガエルだ。


 ウシガエルは外来種であり、食用ガエルとも呼ばれ、『ヴォー』と牛に似た声を出して鳴く。目の下あたりに丸い鼓膜(?)がついているのが特徴。


「針もったいないから、切るわけにもいかないし……はずすか」


 針はしっかりと、カエルの上顎に引っ掛かっている。


「これをつかむのか……」


 抵抗はあった。だが、子供のころ、親戚のいる田舎に遊びに行った時、田んぼでカエルやおたまじゃくしを、よく捕まえた。



ストーリーメニュー

TOPTOPへ