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サバイバルヘルパー

第2章 島

 俊輔は、岩場にいる貝類や食べられそうな海藻を採取しては、バッグの中に入れた。


 そこそこの量を集めると、バッグをかついで、小梅が待つ浜辺へ、向かった。


 その途中、乾いた薪や小枝を集める。


 火をおこすつもりだった。


「よし……やるぞ。なんとか生き延びてやる」


 このバッグは神が諦めるなと、チャンスをくれたのだと自分に言い聞かせた。


 元の浜辺に戻ってきた。


 小梅がいない。


「えっ!? どこ行ったんだ?」


 俊輔は木陰にバッグと木の棒を置いて、辺りを見渡した。


「婆さん!! ばあさーん!!」


 大声で呼び掛けるが、なんの返事も聴こえてこない。


 森の中をさまよっているのか?


 まさか、海に入ったわけではあるまい。


「どこ行ったんだよ……」


 砂浜の両側は岩場になっている。岩場の方に行ったのだろうか?


 俊輔は、いましがた自分がいた方向とは、逆の岩場に向かった。


 反対側は大きな岩壁がどっしりとかまえ、この先は入るなと、言わんばかりの威圧感があった。


 だが、それは威圧感だけでなんてことはない、ただの巨岩。



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