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サバイバルヘルパー

第7章 食料調達

 掘り続けると、ようやく根っ子の頭が見えてきた。


「おっ! きたきたきた、こっから勝負」


 そう、ここからが本番だ。


 途中で折ることなく、最後まで掘り続けるしかない。


 水を見つけ、ウシガエルを捕らえ、完治しかけている足首の痛みも忘れるような出来事が、激流のようにくる。


 このまま、流れに沿って前進していきたい。


 だが……。


 芋がポロっと転がった。


「しまった……折れた!?」


 シャベルを脇に置き、ひざをついて、掘った穴に腕を入れ、芋を掴む。


 手には約、20センチほどの芋が握られている。


「ん?」 


 採れた芋をマジマジと見ているが、折れた様子はない。


 どうやら、折れて短いのではなく、これが成長MAXの芋のようだ。


「あっちゃ……短いな。成長途中なのか、成長しなかったのか……」


 ガックリと肩を落とすが、残念そうにはしていない。


 むしろ、これでも手に入ってよかった。


 掘った穴を元に戻すと、俊輔は、芋とシャベルをもって、その場をあとにした。



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