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サバイバルヘルパー

第7章 食料調達

 俊輔は一度、息を切らしながら穴から出てきた。


 柔らかい土の山の上に、ゴロリと横になる。


 土まみれになっても構わない。


 どうせ、海で流す。


「づがれだ……づがれだ……ハァ、ハァ、ハァ……きついなぁ、最初は楽勝だったんだけどな……柔らかい土でさぁ、次第に粘土まじりになって、やがては石かい……生身でボーリングしてやったわ……ボーリングつっても、玉転がして……ピンを倒すスポーツじゃない方……俺は誰に言ってんだ?」


 ここに来て、一人言が多くなってきたなと感じはじめた。


 半身を起こして、穴を覗く。


「もう少しだな。もう少し深く掘らないとな」


 だが、太陽はかなり傾いてきている。


「今日はここまでか」


 俊輔は近くの廃屋に向かうと、大きめのトタン板を見つけて運び出し、穴の上にかぶせた。


「今日中に出来ると思ったけどなぁ……しょうがない、この芋は食うことにしようか」


 シャベルと、山芋を手に持つと、俊輔は浜に戻った。


 ブルーシートのテントの中には、水が入ったペットボトルが3本放り込まれていた。


「婆さんが入れたんだな」



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