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サバイバルヘルパー

第7章 食料調達

 親切な思いで入れたのか、それとも、余計な意思が行動をおこしてしまったのか?


「ま、どっちでもいいや」


 俊輔は体に付いた泥を洗い流すため、海の中に飛び込んだ。


 空は真っ赤に色付き、海までも染める。


 夏の夕暮れの海も、火照った体には心地いい。


 天を仰ぐように、浅瀬で波に身をまかせる。


「はぁ……気持ちいいな……」


 その言葉の裏には幸せはなかった。


 辛い……。


 気丈に振る舞ってはいるが、心は不安でいっぱいだ。


 小梅の動きも、よくわからない。まるで多重人格者のようだ。


 ある時は頼もしく思えるが、いつ足を引っ張るような行動を起こすのか、心配でならない。だが、ずっとそばで見ているわけにもいかない。


「早く帰りたいなぁ……」


 つい、一人になると、ポロっと弱音を吐いてしまう。


 だが、神様はなにもしてはくれない。


 頑張るのは自分のみ。


 ここにいる以上、恐怖と不安が拭えることはない。それらはいつも、自分の心と格闘をしている。すなわち、それらに負ければ、死に近付く。




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