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サバイバルヘルパー

第7章 食料調達

「絶対、生きてやる。ここでは死なないよ。婆さんも絶対に死なせない。一緒に帰るからな。俺は、結果は最悪だけど、まだツイてる方だ。生きるぞ。生きるぞ。生きる、生きる、生きて、生きて、生きてやっからなぁーーっ!!」


 俊輔は大空に向かって叫んだ。


 叫ぶことで、己の中の弱さを内に抑え込んだ。


 俊輔は都会にいたころよりも、心と体が強くなっていた。


 まだ自覚はない。自覚すれば、もっと頑張れる。


 今はただ、島を抜けることを目標に、泣き叫んでも向かっていくこと。


「きっと助かる。きっと……」 


 そう願いながら、海から上がった。


 砂の上で、打ち上げられたクジラのように、眠っている小梅がいた。


 それを見て俊輔は思った。


『潮が満ちてきたらどうする……』




 翌日。


 早朝からシャベルを持って、まずは芋掘りに向かった。



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