テキストサイズ

サバイバルヘルパー

第7章 食料調達

「芋、食べるっ」


「はいはい、テントにあるからね」


「さつまいもがいい」 


「……」


 無いものを言われてもしょうがない。


「いや、婆さんねぇ、悪いけど、さつまいもはさすがに無いわ。あるのは山芋……てか、俺、山芋なんて料理できねぇしなぁ。焼いたら食えるのか?」


 俊輔はテントに置いた山芋を海水で洗い、焼いてみようと、芋を石上において、薪を集めた。


『シャリ……シャリ……』


 なにかをかじるような音。


「えっ!?」


 見ると、小梅が山芋をリンゴを食べるように、丸かじりにしていた。


「ええっ!? 生で!!」


 驚いてはみたものの、よくよく考えてみれば、すりおろしてトロロにしたり、短冊に切って食べたりもする。生でも食えないことはない。


 以前、採ってきたときも、生で食べていたのだろう。そういえば、自分も一口かじった覚えもある。


「まあ……生きているから大丈夫だろう」


 よくわからない安心感を抱きながら、俊輔は小梅を安全なところにつれていき、座らせた。


「婆さん、ここで食え。いいか、あまり遠くに行かないこと。危ない場所には近付かない。オペラしない。わかった?」


「わかった」



ストーリーメニュー

TOPTOPへ