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サバイバルヘルパー

第7章 食料調達

「本当かよ……行ってくるからね」


 毎朝、こういったやり取りがないと、1日が始まる気がしなかった。


 山芋通り(俊輔が名付けた)に再び、向かった。


 ここで、まず芋を掘ることからはじまる。


「出来れば長いのが欲しいなぁ。途中で折れてもいいから、長いやつ」


 シャベル片手に、ツルや葉を探す。


 地面を見ると、足跡が目についた。


「ははぁ〜ん、この辺をまたあいつが、うろついてたんだな」


 あいつというのは、俊輔のいうイノシシ(イノブタ)のことだ。


「よし、じゃあ、この辺りの芋を狙うか」


 俊輔は一本のツルを手に取り、地面までたどる。


「ここ、決定」


 さっそく掘り始めた。


 どんどん掘り続けて、30分後。


 芋が出た。


「ちっちゃ!! ビックリするくらいにちっちゃ!!」


 折れずに掘れたのが、缶コーラのサイズだった。


「ま、いっか。てか、この辺はやっぱ、小さいのしかないのかな?」


 だが、それでも俊輔は満足だった。


 狙っていたのは、芋ではなかった。


「捕まえてやるよ。あのイノシシを」


 何度も言うが、俊輔を襲ったのはイノブタだ。




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