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サバイバルヘルパー

第7章 食料調達

 昨日掘って、蓋をしておいた穴のところまで来た。


 なにかが触ったりした形跡はない。


「大丈夫みたいだな」


 俊輔は、穴を掘る作業を再開した。


 土は固くなり、石も多く、訳のわからない陶器が出土してくる。


「どう見たって、安い茶碗じゃねえか」


 随分前に、この島の住民がゴミを埋めたのだろう。


「ゴミは所定のゴミ捨て場に……て、ここがそうだったのかもしれないな」


 穴を掘り進めながら、この島の昔の人達の暮らしぶりを想像した。


 都会に比べれば、不便な点が多かったのかもしれない。


 いや、今の都会が便利過ぎてきているのだ。


 井戸の水を組んで、釜戸に火をくべて、農作物を栽培しての生活が、ここではありふれた、当たり前のことだった。


「ここに住んでいて、一度都会へ行ったら、ここには帰りたくないだろうなぁ……俺は早く都会に帰りたい……」


 思い出すのは、実家での日常生活。


 お腹が空いたら、いつも箱買いしていたインスタントラーメンを、小鍋にお湯を沸かして作っていた。


「そう、生玉子を途中で落として、白身が白くなったところで、鍋のまま食ったなぁ〜、食いたいなぁ」


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