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サバイバルヘルパー

第2章 島

「あのさ、お婆ちゃん……ここは島だから、トイレなんてないよ。だから、したかったら、なるべく人が踏み込まないけど、踏み込める場所でやらなきゃ、ね」


「トイレでやらなきゃ、いつも怒るじゃない、久美子さん」


「く、くみこっ!?」


 誰っ!?


 それは、小梅が住んでいた家の家族?


 息子の嫁?


 深く聞いたら、まだ自分にはわからないドロドロとしたお昼のテレビ的な話が飛び出すやわからない。


 それだけは、対処しきれない。俊輔はそこから話を広げないように話題を変えた。


「あの、暑いから、木陰に入ろう。それと、夕食の準備があるからさ、いろいろとってきたんだ」


「久美子さんね、私がトイレ以外のところでしちゃったら、いつもごはんを」


「はいはい、自ら打ち明けて傷を広げない。だんだん心が不安になってくるからダメですよぉ〜てか、僕は久美子さんじゃないからねぇ〜」


 自分はいったいなにをしているのだろう?


 ひょっとしたら、ここの島を脱出するまで、ずっと小梅を援護していかなきゃいけないのか?


 そうなると、全部、自分がやらなければならない。




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