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サバイバルヘルパー

第2章 島

 すべてを背負うことになると、自分にかかる負担が大きすぎる。


『間違いない。やはり、この婆さんはボケている。まいったなぁ……俺、こんな人を相手にしたことねえよ……ちょっとでも正常になってくれたら……でも、年寄りだしなぁ……』


 そう思いながら、俊輔はうなだれた。


 普通、映画や小説だと、無人島に流れ着くのは、男性と女性。


 そこまではシチュエーションでは、いまのところは合っている。違うのは、相手の歳がいきすぎていること。


 寿の字が、名前以外で似合う年齢の女がなぜ、自分の隣にいるのだろう?


 そんな隣にいる女性、小梅は俊輔の肩を借りながら、一歩ずつ前に進む。


 やがて、少し前まで座っていた木陰の石が見えてきた。


「あ、お婆さん、ちょっとそこで待ってて」


 俊輔は走り出した。


 すると、森の中で拾ってきた木の棒を取ってきた。


「婆さん、これ杖になるんじゃねえ?」とそれを小梅に渡した。


 小梅はそれを受け取り、ギュッと握り締めると、杖がわりについて、歩きだした。



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