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サバイバルヘルパー

第7章 食料調達

 俊輔が己の排泄中に見付けた物。


「あった……」


 それは……糞だった。


「この島の森も結構深そうだけど、他に動物を見ないからな。だから、あいつらの糞だと見ていいだろ。イノシシは鼻がいいからなぁ。仲間の匂いがあったら、ちょっと釣られないかな?」


 イノシシやブタは鼻がいい。人間の匂いがすると警戒すると見た。


 嗅覚の良さは、地中に出来るキノコの種類、黒トリュフを見つけるのにも使うほどだ。ちなみに白トリュフは犬を使って探すそうだ。


 俊輔が他に動物は見ないと言うのも、島にはその昔、イノシシや鹿の類いはいたのだろう。


 だが、農作物の畑を荒らすため、島の住民が鹿やイノシシの駆除をはじめた。


 人間が島を出て、徐々に少なくなるにつれ、家畜で飼育されていた豚が野生に入り、数少ないイノシシとの交配により、生まれた混血種のイノブタが増え、やがて元の種が減り、島の野生動物はイノブタのみとなった。


 だが、1つ気になることがあった。


「けど、イノシシ(イノブタ)って……天敵はいないのか? あまり増えてないのかな? だとしたら、これは他の動物の糞かもしれないけどなぁ」



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