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サバイバルヘルパー

第7章 食料調達

「え……ちょっと待て……」


 ガラスのような、鏡のような輝き。


 俊輔はその光るものに、手を伸ばした。


 砂の中に埋もれていた部分が露になり、それを見た俊輔の表情に虹がさした。


「うわあっ!! こんなところにぃっ!!」


 俊輔が手にしたそれは、刃渡り20センチ以上の包丁だった。


 なぜ、ここに埋まっていたのかは、わからなかったが、流されてきたのか? それとも、島の住民が釣った魚をここで捌くのに使ったのか?


「これ、すげえな……ほとんど錆びてないし、チタンかステンレスか……だよな?」


 多少の刃こぼれはあるものの、錆びはほとんどついていなかった。


 さらに、柄の部分はしっかりとした木製。それほど古くはない。


「ここまでは、今のところ潮は満ちてないからまだ刃こぼれだけですんだのか? まあ、研ぐくらいなら、なんとかなるかな」


 予想もしなかった宝物に、何度もガッツポーズを見せた。


 小梅が悪さをしないように、包丁はバッグの中に入れた。


「さて、竿もあるし、ちょっと魚釣りでもするか」



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