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サバイバルヘルパー

第7章 食料調達

 その願いが届いたのか、ラーメンではなく、魚がかかった。


 グンと曲線を描く竿に対し、直線にピンと張る糸から強い振動が伝わる。


「うおっ!! いきなりっ!? 来た来たっ!!」


 ……ンッビイインンンッ!!


 突然、軽くなり、竿の先が上下に揺れた。


「ンゲッ!!」


 切れた。


「うそ……とぅーるーるるーとぅーるとぅるるるる♪」


 なんとなく笑いがこみ上げ、思わず昭和50年代のテレビゲームのGAME OVERによくあるBGMを口ずさんだ。


「ダメかぁ……そりゃへら竿だし、糸も古くなってるしな……ん?」


 水に浸かった岩場を見た。


「あっ!! うわ、マジか!?」


 だが、逃がした獲物はでかかったが、見付けた獲物は高かった。


 黒くて丸くてイガイガしているあいつ。


「真っ黒くろすけ」


 違うなぁ〜。イガグリと言うよりはマシか。


「ウニじゃねえか!! すげっ!!」


 よく見るといたるところにいる。


「すげえっ!! 身は入ってるのかな? けど、すげえっ!! 密漁とか言われようが関係ないっ!! こっちは生きるためなんだ!!」



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