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サバイバルヘルパー

第7章 食料調達

 小指の先についた、わずかながらのウニをなめてみる。


「……うん……わかんない」


 もう1個、割ってみた。


「これも外れか……」


 俊輔が食べているのは、クロウニという種類のものだ。餌が少ない場所には大きくはならず、割っても空っぽのものがいる。


 俊輔が捕ったウニも、その理由が考えられる。


「なんだよ、ぜんぜん当たりがねえじゃん」


 結局、ほとんどのウニを割ってしまった。


 ただ、無駄にウニを惨殺しただけだ。


「中には身が無いのもいるんだな。難しいね見分けるのが……」


 せっかくの高級食材が無駄に終わり、肩を落とす。


 俊輔は気を取り直し、落とし穴を見にいった。


 落とし穴を完成させて、まだ3時間程度。


 そんなに早く獲物がかかっているとは思わないが、様子を確かめたかった。


「いるかな? なにかいるかな?」


 ワクワクしながら、道を歩く。


 溜め池を過ぎて、森を入る。


「あれ?」


 なにか、違和感を感じた。


「ちょっと待て……シーツがまくれてる」


 土を被せたシーツが穴からめくれて、白いものが見える。



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