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サバイバルヘルパー

第7章 食料調達

「うわぁーーっ!! 婆さんっ!! この状態で漏るんじゃないっ!! 排泄物を頭で受け止めるなんて、介護の講習にも無いと思うぞ!!」


 小梅の体が、ステージから迫り上がるように、持ち上がる。


「婆さん、頼むから、自分で這い上がれ!! 頭に湿り気がきてんだよ、おいっ!!」


 小梅はここで初めて、地面に両手をついた。


 小梅を持ち上げるにも、体力の限界があった。


 だが、ここで自分が崩れると、小梅もまた落ちてしまう。


「く……ぐぐぐぐ……」


 顔を真っ赤にしながら、歯にヒビが入るくらいに力をこめる。


 ろくに、物を食べていないため、体力、スタミナが続かない。


 この状態を保持したまま、大きく息を吸う。


 気が狂いそうなほど臭い。


 徐々に、小梅が敵に思えてきた。


 俊輔は踏ん張る。そして、渾身の力をこめて、一気に持ち上げた。


 小梅の体が前に倒れ、地面にのる。


 俊輔は小梅の足を、底から持ち上げると、ゴロンと横に転がした。


 小梅の体は一回転し、穴から約1メートルほど離れた。


「ゼエ、ゼエ、ゼエ、ゼエ……やった……」



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