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サバイバルヘルパー

第7章 食料調達

 横になって、天を仰いでいた体を起こす。


 穴から、数メートル先。


「いいっ!! マジか……」


 そこにいたのは、俊輔がイノシシと呼ぶ、あのイノブタ。


「不味い状況になったな……」


 横には負傷中の小梅。


 自分は疲れきってスタミナ切れ。


「どうする……どうする……」


 小梅はボォーと、イノブタを見つめている。


「婆さん……少しずつ後ろに下がろう。とにかく逃げなきゃ……」


「あらまぁ……大きなイノブタちゃんだわねぇ」


「イノブタ!? あれ、イノブタっちゅうの?」


 ようやく、わかった。


 イノブタは鼻をヒクヒクとさせている。


「今は、大人しいな……ゆっくり下がっていけばなんとかなるかもな」


 ゆっくり、ジワジワと腰を下ろしたまま、後退する。


 だが、小梅が黙ってはいない。


「あっちいけバケモノ!!」


 石を投げ出した。


「なに、してんのおっ!!」


 投げた石は3つ。その3つが、すべて的中。


「なんで、そこはコントロールいいんだよっ!!」


 イノブタは真っ直ぐこちらを見ている。



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