テキストサイズ

サバイバルヘルパー

第7章 食料調達

 なにか匂ってきた。


「婆さんだな……近くにいるんだな」


 疲れも忘れ、俊輔はとにかく走った。


 獲物。それも、大物だ。


 逃げられる可能性もある。


 急いで落とし穴まで向かう。


 気が急ぐばかりで、落とし穴までの距離が長く感じる。


「んにゃろーっ!! この前のお返ししてやる。イノシシだと思ってたらイノブタだって……イノブタってなんだ!?」


 知らなかった。


 落とし穴に到着すると、這うように近付いた。


 イノブタはいた。仰向けになり、口を開けている。


 棒でつつくと、動き出す。


『ヴギィーッ!!』と何度も鳴く。


「さあ……どうする……どうすればいい?」


 捕らえたのはいい。だが、この先をどうするかだった。


 さすがにこれだけは、小梅に頼れない。


 腰を痛めていなくとも、これをお願いすることは出来ないだろう。


「やるしかないんだな。もう、逃げちゃダメなんだよ」


 小梅が、ウシガエルを捌くところを見ていた。


 しかも今回は巨大すぎる。


「やるか……」


 先に血を抜くしかない。


 中に入って、イノブタの両脇に足を突っ込んだ。


 足にイノブタの温もりを感じた。



ストーリーメニュー

TOPTOPへ