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サバイバルヘルパー

第7章 食料調達

 俊輔の手には、包丁が握られていた。


「当たり前に食ってるものって、みんなこの悲しみが詰まっているんだな……ごめんな……そして、ありがとうな」


 俊輔の思うがままの、イノブタの解体がはじまる。


 俊輔はイノブタの体を触ってみる。


「これ、あばらだな。ここからお腹だな」


 人間で言う、胸の辺りから、包丁を入れる。


「く……なんか……こんな映画見たことあるな……あれは、人間で作り物だけど、こっちは豚でリアルだぜ」


 刺したのはいいが、ここから先の作業が進まない。


「俺は医者だ……ここにいるのは患者なんだ。いま、俺は、手術を行ってるんだ……ドクター俊輔、オペはじめまーす」


 包丁を縦に引いた。


 開いた。


 臓物が見えた。


「うわっ……直視しにくいビジュアル……刺激がきつい……」


 無理矢理に自己暗示をかけたにもかかわらず、まったく効いていない。


 大きく息を吸って、呼吸を整える。


「俺はブラックジャック。無免許医師だが、腕は世界を黙らせる……」


 無駄だということが、わかっていなかった。



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