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サバイバルヘルパー

第2章 島

 本は表紙がどっしりと分厚い。濡れているのは表紙と数ページだけで、中身は大丈夫のようだ。


 これは小説だろうか?


「青い檸檬」


 タイトルだけでは、どんな小説かわからない。


 カビがはえたなら、みためは少し青いかもしれないが、カビにくるまれると、モノがなにかわからなくなる。


 まさか、そんな内容ではあるまい。


 とりあえず、手帳も乾かし、本も乾かそう。


 やることはいっぱいある。


 まず、水がない。どうにかして、水を手に入れなければならない。


 ペットボトルはある。だが、1リットルのようだが、中身は空だ。


「くそ……どうすりゃいいんだ? どこか水源でもないかなぁ……」


 だが、今から探しにいくのも大変だ。


 小梅もそのままにしておけない。


「思い付いたままのことを先に手をつけようか……」


 俊輔はまず、かまどを作ることにした。石を組んで作るとすれば、時間がかかる。


 なので、平たい石を使って、穴を掘った。



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