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サバイバルヘルパー

第2章 島

 約30センチほど掘ったであろうか。俊輔は次に、折り畳み傘を出して、それを広げた。


 すると、傘の骨を一本ずつはずしだした。


 そして、はずしたら、それを一本ずつ、穴の上に並べていった。


「よし……これで網焼きみたいにできるだろう」


 火をなんとか出来れば、穴の中で火を焚いて、並べた傘の骨の上で焼くというものだ。


「後……水か……ためにしやってみるか」


 俊輔はある方法を思い出した。


 少し離れた所に、もうひとつ穴を掘った。


 その穴に、ペットボトルに入れた海水を流し込んだ。


 次に、そのペットボトルを、尖った石を利用して、半分に切った。


 たかが、ペットボトルを切るだけのことに、かなり苦労した。


 家にいれば、カッターナイフで一発で切れる。


 こんな自然の中でそんな便利なものはない。


 ペットボトル、いや、あのバッグが手に入っただけでも、奇跡だと思わなければならない。


 俊輔は物のありがたみをじゅうぶんに感じた。




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