テキストサイズ

サバイバルヘルパー

第8章 風呂とイノブタクッキング

 網焼きにした肉から、ポタポタと脂がしたたり、豪快なブロック肉のバーベキューが出来つつある。


 鍋に入れた海水はボコボコと沸騰し、蒸発したのか半分ほどの量になっている。


「こんなもんかな」


 俊輔は傘の骨を使った箸で、焼けた肉をとり、鍋の蓋の裏に乗せた。


 肉のブロックは焼けたあとでも、赤レンガ1個分のサイズはあった。


「すげえな……うまそうしか言葉が出ないな。なんか、日に日に豪快な食事になってくるな」


 そこに、濃くなった海水を調味料としてかける。


「婆さん、飯できたぜ。食えるか?」


 小梅は寝転んだまま、顔を出した。


「肉だ。食うか?」


 小梅は頭を横に振った。腰痛で食欲がないのだろうか?


「そうか……でも、食わないとさぁ、よくならないぜ」


「いらないの」


 俊輔はため息を吐くと、包丁を海水で洗い、焼いた肉を一口サイズにカットし、小さな鍋の蓋の裏にのせた。


「ここに置いておくから、食べれる時に食べなよ。でさ、これから、テントの中で寝なよ」


 小梅からの返事は無かった。



ストーリーメニュー

TOPTOPへ