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サバイバルヘルパー

第8章 風呂とイノブタクッキング

 両足を入れ、ゆっくりと浸かっていく。


 熱すぎない温度に優しく包まれ、深い「あ」の字が口からもれる。


 全身の毛穴を、温泉の成分がこじ開け、五臓六腑に染み透っていくようだ。


「まさか、風呂に入れるなんてなぁ……頑張ったご褒美だな」


 かなり汚れていたのか、全身から茶色いものがにじみ出る。


「石鹸ほしいなぁ。よく、豚の脂から石鹸を作ったって聞いたことあるけど、ここじゃ無理だな……」


 石鹸とまではいかないが、自然界でシャンプーの代用なら、灰汁の強い木の実から採取出来る。


 とちの実などの実を潰し、絞った汁を泡立てて、頭を洗う方法もある。


 そんな予備知識のない俊輔は、頭までお湯に浸かり、気のすむまで頭をかきむしった。


「ふぁ〜、気持ちいいの一言しかでないなぁ。それ以外の言葉がないくらいに、マジ気持ちいいわ」


 だが、長湯しすぎて、少々ぐったり。


 己の陰茎を露出したまま、客室に布団を広げて寝そべっていた。


「はぁ……誰もいないからできんだよ。猥褻物陳列罪なんか、関係ねぇっつうの」



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