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サバイバルヘルパー

第8章 風呂とイノブタクッキング

 勢いに圧倒され、俊輔は後ろに倒れる。


 扉は大きく開き、そこからやつが吠えながら入ってきた。


「うわっ!!」


 とっさに体勢を変え、鎌を持って身構える。


 目の前にいるのは、色の黒い犬だった。


 威嚇するように、咽を鳴らしている。


「これはこれでやばいな……」


 あまり毛の長くない、スマートな大型犬だ。


 おそらく猟犬として飼われていたものと思われる。


 野犬として生きてきたのか、俊輔を獲物としか見ていないようだ。


 牙と歯茎を剥き出しにし、うろうろと様子を窺っている。


 やがて、一匹が二匹、二匹が三匹と増えてきた。


「おい、お前ら汚いぞっ!! 俺一人に、三匹かたまりやがって!! 恥を知れっ!!」


 野犬相手に言っても、伝わるわけがない。


 伝わったとしても、卑怯もくそも関係ない。


「おうおう、上等じゃねえか……こいよ……ズタズタにするからなぁ……ぶち殺してやっからよ。てめえら、ただの肉の塊にしてやるわっ!!」


 そう言ってチラチラと辺りを見回す。


 なにかチャンスに持ち込めるものはないか?



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