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サバイバルヘルパー

第8章 風呂とイノブタクッキング

 俊輔はジリジリと、後ろに下がる。


 後ろには、障子が貼られた格子戸。


 こんなの盾にもならない。


 下がっていくなか、ふと手が障子に触れる。


「ん?」


 なにかに気が付いた。


 野犬は、本能的に鎌が危険だと察知しているのか、うかつに踏み込まない。


 なぜなら、必死になっている俊輔から、異常な気迫を感じとっていた。


 俊輔はゆっくりしゃがみ、野犬と同じ目線に持っていった。顎を引き、喉を隠す。鎌を前に立て、逆に野犬を威嚇する。


 左手を後ろに向け、格子の枠に手をかけた。


 そして、左手で戸を開けると、すぐに下がり、即座に閉めた。


 野犬は吠えながら、向かってきた。


「うるぁーーっ!!」


 声と同時に、俊輔は格子戸を蹴り倒した。


『バリーーーン!!』という、音と共にガラスが野犬に向かって降り落ち、格子戸が倒れた。


 障子かと思っていたのが、白いガラスだった。


 俊輔は木製の椅子を振り回し、暴れるように向かっていった。


 振り回される椅子の背もたれが、野犬にヒット。


 ガツッと言う鈍い音がした。


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