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サバイバルヘルパー

第9章 いかだ

「やることは、たくさんある。でかい鍋が2つあるんだ。1つは水を煮沸して、もう1つは肉を煮込む」


 薪や枯れ草を集めると、今度は手頃な石を集めた。


「石のかまどを作る。その方が安定しそうだ」


 今までは、砂地に穴を掘って、その上に焼き網をのせただけのものだ。


 最初は傘の骨をバラして組んでいたかまどだったが、かなり進歩していた。


 作る素材は、ゴロゴロしている。


 積みやすい石を、テトリスの要領で組み上げる。


 約、1時間ほどでかまどは出来た。


「時間がないから、ちゃっちゃとやるぞ」


 俊輔は、海水と真水を鍋に入れ、骨つき肉から、骨だけを取る。


 そして、骨を石で砕いて鍋に入れた。


 すると、今度は海岸沿いの岩場へ、向かった。


「えっと、あるかな……」


 俊輔は岩にへばりついている、巻き貝や小さなアワビのような、マツバ貝を採って集めた。


 マツバ貝とは、体長5センチほどの1枚貝で、富士山のような型の貝殻をもつ。


 松葉の文様があることから、この名前がついた。


 ちなみに食用で、味噌汁や酒蒸し、直火焼きにするとよい。



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