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サバイバルヘルパー

第2章 島

 俊輔は一言一言、ハッキリと、動きを入れながら説明した。


 わかっているのか、いないのか、小梅はそれを受け取って、同じようにやって見せた。


「うん、お婆さん……やってること逆だねぇ。水滴ない方をすくっても、よくわかんない微粒子を集めるだけだからさ……反対ね、こっちをこうね」


 大丈夫だろうか?


 心配しながらも、俊輔は森に入り、火をおこす道具になるものを探した。


「イオウかニトロセルロースがあればマッチが出来る……てか、無いよな絶対。いや、あっても作れねえな」


 都合のいい方法しか頭に浮かばない。


 ライターが落ちてないかとも考えたが、探したって見つかるわけがない。


 果たして、木と木をこすりあわせるだけで本当に火がつくのだろうか?


「ただ、疲れるだけじゃないのかなぁ……なんかいい方法ないかねぇ……」


 燃えそうな木を探しては、薪も必要だとして、手頃な乾いた木を集める。


 下を向いた状態で、移動しているため、腰にも負担がくる。


 ふと頭を上げた時だった。


「イテテテ!!」


 チクチクっとなにかが刺さった。



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