テキストサイズ

サバイバルヘルパー

第2章 島

 よく見ると、それは松の葉だった。


「いってぇ〜、頭グサグサきたよ……これ以上毛穴増やすなよ」


 そこは松の木がまとまって生えている場所だった。


「こんな場所あったんだ……」


 めの高さのあたりまで松葉がある。こいつは危険だと、頭を低くして、松の木をさけた。


「ヌチャ」


 ふと、木に触れた瞬間、なにやら粘っこい感触がした。


「え?」


 よく見ると、それは松ヤニだった。


「松ヤニか……」


 俊輔は考えた。なにかに使えると……。


「松ヤニって、燃えるんだよなぁ、たしか燃料にも……そうだ。火がもしついた時のための燃料に使える。たいまつって、松の明かりと書いて松明だもんな。よし」


 俊輔は松の木を探し、松ヤニの塊があれば片っ端から取っていった。


 着ていたシャツを脱ぎ、風呂敷のようにして松ヤニと薪を包んだ。


 木々の間から光が射し込む。


「まだ、太陽がでてるな……んっ!」


 俊輔は走った。上半身裸で肌に木が擦れるのもおかまいなしに。


 小梅がその姿を見て、顔を赤らめた。



ストーリーメニュー

TOPTOPへ