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サバイバルヘルパー

第9章 いかだ

「久美子さん、ここは、お布団じゃ、ありませんよ」


 小梅がそう言って覗きこむ。


「ある意味、布団より、こっちの方が気持ちいいっすよ……はぁ……」


 夜空には星がチラチラと輝いている。


 大きく息を吸った。やっと、落ち着いてきた。


「油断していたよ……それほど大きく崩れてないし、前は電気もついたし、安心してたんだけどな……明日、確かめに行ってやる。あの幽霊はなんだったのか。明るくなったら大丈夫だろ」


 武器は明るさだけ。昼間だったら、それほど怖くはない。


 それに……。


「風呂入りたいよ。婆さんも風呂に入れてあげたいしな。この前、入りたいとか言ってたもんなぁ……一緒に風呂……う〜ん、それは遠慮してぇなぁ……」


 そう思うと、疲れが出たのか、そのまま眠りについた。




 翌朝。


 気が付けば、ブルーシートのテントの中にいた。


 おそらく、寝ぼけて戻ったのだろう。


 しかも暑い。


 また、今日も真夏の日射しとの戦いである。


 今日は小梅を連れて、風呂に入って、あの幽霊の部屋を調べる。


 そして、いかだの材料集め。


 それが、スケジュールだ。



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