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サバイバルヘルパー

第9章 いかだ

 俊輔は走るように旅館に向かう。


 だが、旅館の前に立つと、足が止まる。


「うわ、なんだよ、この威圧感……」


 それは、俊輔が勝手に感じているだけだったが、昨夜のことを思い出すと、足がすくむ。


「おい、コラ、幽霊!! 今から行くからな。逃げるんじゃねえぞっ」


 逃げているのは俊輔だ。


 一歩がなかなか踏み出せない。


「よし、風呂に入ってからいこう。まず風呂。風呂はきっと明るい」


 ゆっくりと入っていく。


 なんとか、浴場まで進んだ。


 ここだと、気分的にまだマシだ。


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