テキストサイズ

サバイバルヘルパー

第2章 島

「あらっ、まあ、殿方の裸で……」


 小梅は殿方と言った。今は、普通に戻っているようだ。


「いやいや、薪とか集めるのに包むものが無かったから……でも、安心してください。はいてますよ」


 ある意味この男も、とにかく明るかった。


 だが、今は正常になっているであろう小梅と、話している場合ではなかった。


 俊輔は拾ってきたバッグを開けた。


「たしか、あったぞ、アレが……」


 俊輔が言っているアレとは……メガネだった。


「これって、レンズだよな。ひょっとしたら……」


 急いで、乾かしていた新聞紙を集める。


 熱くなった砂と太陽の熱により、あっという間に乾いている。


 俊輔は一枚を細かく破ると、それを一ヶ所にまとめた。


 そして、メガネのレンズを使って、太陽の熱を集めだした。


「うまくいけば、これで火がつく。小さくて細かい光を作らなきゃ」


 だが、普通の四角いメガネのレンズでは、なかなか熱が集まらなかった。



ストーリーメニュー

TOPTOPへ