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サバイバルヘルパー

第9章 いかだ

 欲しい太さは、竹ぼうきよりも、やや太めの竹だ。


 だが、思っているほど以上に太い竹が多く、それなりの物が見当たらない。


「竹の種類が違うのかな……すんげぇ、太いのばかりだな」


 そう都合よく見付かるものはない。ここはホームセンターもない無人島だ。


 だが、代用品はあった。


 竹でなくとも、そこそこの太さの木が生えている。


「これでいけそうだな。これを切って持っていくか」


 ノコギリはある。だが、それは生木で、さらに硬い。


 なかなか刃がスムーズに動かない。


「なんだこれ……すごい抵抗してくるんだけど……」


 だが、これほどしっかりしているものでないと困る。


 その木をなんとか、2本切り落とした。


 木を切っただけで、相当な疲労感が全身を巡る。


「自然の本当の強さを、体感いたしました」


 だが、その後の帰り道、初めて通る場所を散策しながら歩いていくと、ちょうどいい太さの竹林を見付けた。


 しかも、折れて倒れているのもある。


「昨日のライターといい、これといい、なんで苦労したあとに見付かるんだよっ!!」



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