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サバイバルヘルパー

第9章 いかだ

 底板に廃屋から持ち出してきた、木の扉を使用。


 並べた竹の上に乗せ、釘で打ち付ける。


 日はほぼ半分、隠れてきている。


 途中に休憩を入れ、煮沸した水を冷ましたりしていたが、いかだ作りに没頭しすぎて、時間を忘れていた。


「なんか、暗いなと思ったら……もう、お日さん沈んでるんだ」


 かなりはかどった。本来のいかだなら、この形で航海できる。だが、まだまだ半分も出来ていない。


「まだまだ。長時間海にいるかも知れないという、万が一の事態も想定して、作らなきゃいけないからな。ここからが大変だぞ」


 干した肉は、気をきかしたのか、小梅が回収して、竹かごの中に入れて新聞紙で蓋がしてあった。


 備蓄の食料も、まだまだ必要になってくるだろう。


 やれることは出来る限り、やっていこう。


 気になるのは小梅の体調だ。


 腰痛で動けなくなったりしたことはあったが、他に体調を崩して倒れたりすることは、今のところ見受けられない。


 だが、年齢が年齢なだけに、一番気をつけなければならない。


 今までよく、なにもないこんな島で、何事もなく生きてこれたものだ。



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