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サバイバルヘルパー

第9章 いかだ

 俊輔は驚いて、カーッとはなったが、なにより無事でよかったと、胸を撫で下ろした。


「婆さん、うろうろすんなよ。で、僕を探す前に声を出して、呼びなさいよ。こっちは、やることがたくさんあるからさぁ、ずっと見てられないからさ、心配かけさせないでよ。言うこときいてよね。一緒に帰ろう」


「はい、帰りましょう」


「そこは素直だね」


 まだ道は見える。ゆっくりと小梅の手を引き、足元に気をつけながら、浜に戻った。


 浜についても、小梅は食事はいらないと言い出す。


 俊輔としては、体のことを考慮して、少しでも食べてもらいたいところだ。


 だが、やはり、肉となると小梅にとっては重い食材なのだろう。


「明日、魚でもとってくるか……」





 夜が明けて、朝一から丸太を組む俊輔。


 ログハウスのような屋根を組むようだ。


 だが、丸太を組み合わせるやり方なんて、知らないし、道具もない。


 横に並べた丸太の上に、薄い板をのせて、釘をうちつける。


 板がテープのような役目をして、丸太をつないでいた。



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