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サバイバルヘルパー

第9章 いかだ

 そして、いかだの土台に、ロープでしっかりとくくりつけた。


 左右につけた丸太の壁を真ん中に、寄るように倒し、三角になるようにした。


 すると、人一人分がしゃがんで入れる、三角屋根ができた。


 その中の、一部の床板がはずれるようにもした。


 それを外すと、竹一本分の隙間が見える。


 これは、小梅が希望していたトイレのようだ。


「出来は雑だけど、出来ないことはないだろ。後は、大自然の水洗が流してくれるさ」


 1つのことを作り上げると、疲れが出る。


 慣れない作業に、頭と肉体を酷使しているため、次に移るための余裕がない。


 日影で2時間くらい、昼寝をする。


 そこに、ふらっと小梅がやってきた。


「お、婆さん。出来たぜ、トイレ」


 そう言って、いかだを指差した。


 小梅はスカートを捲り上げながら、いかだに歩み寄っていく。


「おい、婆さん!! 確かにトイレは作ったけど、いまやれとは言ってないっ!! 我慢して別の場所でやりなさいっ!!」


 小梅はお尻を押さえて、岩影に歩いていった。


「やばかった……止めなきゃあそこでデカイのされるところだった」



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