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サバイバルヘルパー

第2章 島

「そうか、このレンズは凹凸がそれほどないもんなぁ」


 すっかりヤル気をなくした俊輔。


 何気に小梅の方を見た。結露を集めるのをやめて、海水の入ったペットボトルで、体を冷やしている。


 集めた水は飲んでしまったのか、下に落ちている。


 ため息しか出なかった。


 俊輔は水が出来ていないかと、蒸発する水を集めるために穴に入れたペットボトルのコップを出してみた。


 すっかりと温かくなった水が、ほんの少しだけたまっている。


「ないよりマシか」


 俊輔は水を口に入れた。ここに来て、初めて口にする水。


 それは飲むと言うよりは、口の中を湿らす程度にしかならなかった。


 もちろん、それは火照った体を潤すには全然足りていない量である。


「もうカラかよ……このままじゃ、死んでしまう」


 俊輔は考える。いま、欲しいのは、一番は水、二番は火。


 だが、暑さでなにも考えられない。


 俊輔はそのまま海に飛び込んだ。


 体が冷され、頭もスッキリする。


 俊輔は一口だけ海水を含んだ。



 たくさんは飲めないが、少量の水と塩分は補給できた。



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