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サバイバルヘルパー

第11章 俊輔

 いかだはほとんど、板1枚状態。帆もどこかにいった。


 これはもう、使い物にならないな。



 ここは、どこの島だ?


 石や漂流物がゴロゴロしている。


 俺はふらふらと、奥に歩いた。 


 ここにいたら、いつ落石の餌食になるかわからない。


 大きくえぐられた岩山が、目の前に立つ。間違いなく、これが崩れて落ちたものだ。


 ここは危険だ。


 どこか、安全な場所に移ろう。


 すぐにでも横になりたい……。


 どこに行けば安全なんだ?


 左側を見ると、まだまだ砂利や石の浜が続いていると見た。


 右側は、少しばかり、緑が見える。


 木陰がいい。


 俺は何度もよろけ、転びそうになりながら、一歩ずつ足を進めた。


 雨は止んでいる。


 空は少しずつ青くなってきた。


 嵐は過ぎたか?


 もう、勘弁してくれよ。


 自然とケンカしたって、勝てねえよ。


 それでなくとも、俺、ケンカは苦手なんだ。


 まあ、全世界が相手しても、自然の方がでかいんだ。


 考えるのやめよう。たたでさえ、小さな存在の自分が、よりちっぽけに思えた。 


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