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サバイバルヘルパー

第11章 俊輔

 神様……仏様……俺を生かせてくれたんですか?


 試練を与えてくれてるんですか?


 まあ、いかだも、ロープで繋ぎ止めていれば、流されることはなかったんだ。


 それを追いかけたから、結果こうなった。


 命が助かっただけでも良かったと思うだろうが、助かっても地獄ってこともある。


 なにをすれば正解にあたるんだろう?


 都会で生きてりゃ、なんでもあるから楽だと思ってたけど、ありすぎて苦しいこともあるんじゃないか?


 人間社会そのものが苦しいんだよ。


 やべ、俺はなにを考えてんだ?


 どうでもいいよ。どっちも辛いよ。そういうことにしとこう。


 でも、一番辛いのが……今だな。


 歩いてるんだけど、一向に前に進んでいない。


 夢か? いや、足が重いだけだ。


 今なら、亀にも負けるよ。


「うわあっ!!」


 こけた。


 石につまずいた。


 倒れたところにも、石。


 頭には当たってないが、痛い。


 もう、嫌だ……。


 痛い思いしたくない。思いっきり冷たい麦茶が飲みたい。ラーメンと餃子が食べたい。お風呂に入りたい。布団で、ゆっくりと寝たい。



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