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サバイバルヘルパー

第11章 俊輔

 太陽が出てきた。


 じわじわと暖かくなってくる。


 ずっと、暑い暑いと思ってたけど、冷えっている俺の体を暖めてくれるなら、ウェルカムだ。


 靴がもうベコベコだ。底が破け、爪先のほうが割れて指が見える。


 こんなになるまで、俺の足を守ってくれてたんだな。


 俺、ただカッコいいだけで買ったスニーカーなのに……。


 なんだろうな……泣けてきた。


 靴だぜ?


 今までは舗装された道しか知らなかったのに、慣れない専門外な場所に連れてきてゴメンな。


 泥の中や池の中や海の中、山道も走ったな。


 だが、もう少し頑張ってくれないか。俺も頑張るから。一緒に頑張ってきたんだ。このシャツもデニムも……あ、シャツは知らない男性のシャツだ。



 俺は、なんとか緑のある場所に到達。


 林か? 森か?


 木がたくさん生えてるじゃねえか。


 俺はあの島を思い出した。


「なんか、気分が違う。やっぱり緑はいいなぁ」


 決して、ここは安全とは言い難い。


 毒虫や蛇がいるかもしれない。


 だけど、心地いい。



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