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サバイバルヘルパー

第2章 島

 くぼみに入れた海水が、レンズとしての役目を果たしてくれる。


 だが、手が震えると水が揺れ、光を散らしてしまう。


「クソッ!! あと一歩なんだよ、あと一歩!!」


 コップとして使おうと思っていたが、深さがあると、そこに反射してしまう。そのため、縁をもっと深く切ることにした。


 尖った石で叩いて切り、歯で噛んで、ペットボトルの底をレンズのように近付ける。


 もっと縁を薄くしたい。


 俊輔は砂浜の端の巨岩に向かった。


 そして、ペットボトルの底をゴリゴリと当てて、削りはじめた。


 10分以上はこすっていただろうか? 爪まで削りながらも、ペットボトルの底は、薄く凸レンズのようになった。


 凹の部分に水を入れ、再び、チャレンジ。


 雲はない。まだ、日はある。


 長期戦に備え、バッグにあったシャツを三枚海水に浸して、首もとと二の腕にあてた。


 ジッと、新聞紙に集まった光を見つめる。


 ゆっくりと手を離し、体も移動させ、太陽が放出する熱と光を拾い集めるつもりで、ペットボトルレンズを調整する。



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