テキストサイズ

サバイバルヘルパー

第2章 島

 やっと、光が一点に集まる場所を定めた。


 その状態のまま、ジッと待つ。


 ひたすら待つ。


 光から目が離せない。




『チリッ』



 手応えを感じた。新聞紙の文字と文字の間の白いところに、少し焦げが見えた。


「っ!!」


 今がチャンス。そのままブレないように、続けた。


 集めた光がもっと小さく、集中するように、微妙な調節をして、その状態を保つ。


『チリッ……チリッ……』


 ジワッと焦げが広がり、微かに煙が見えた。


『きた、きた……きた』


 心の中で声を出す。


 やがて、丸く焦げ出した部分に、赤いものが見えた。


 そこにジワジワと松ヤニを近付けた。


 松ヤニがジワッと溶けはじめる。


 凝らして見なくとも、ハッキリと煙が確認できた。


「おい、おい……やったか? マジで!?」


 かすかだが……



 オレンジ色の光が見えた。



 火がついた。



※実際にこの方法で試してみました。かなり難しく、根気がいりますし、ペットボトルの底の形状にもよります。実行には、万が一の事が考えられます。危険ですのでやめましょう。



ストーリーメニュー

TOPTOPへ