テキストサイズ

サバイバルヘルパー

第12章 ……な再会

「見ない顔だなぁ」


 後ろから声がした。


 俊輔は振り返る。


 そこには薄汚れた白いカッターシャツに、紺色のスラックス姿の、60代くらいの男性が立っていた。


「はぁ! 人だ……人だ……」


 助かった。俊輔は、喜びのあまり、膝をついた。


「なにがあった、あんた……まさか、こんな地図にも乗らねぇ、クソ小さい島にバカンス……ではないな。そのかっこじゃ、違うな」


 男性は、ホッとして泣きそうになっている俊輔にそう言った。


「教えてください、ここはどこですか?」


 俊輔は、立ち上がって聞いた。


「んあ? なに言ってんだ?」


「ここはどこですか?」


「ここなぁ、北に向かって船で結構行ったら、愛知県着くぞ」


「愛知県!?」


 日本だった。


 海外じゃない。それを知っただけでも、安心した。


「おじさん、船って持ってる?」


「船?」


「ああ、あのさ……」


 俊輔は落ちていた木の棒を拾い、だいたいに覚えている自分がいた島の形を描いた。


「こんな島って、わかる?」


 男性は目を細め、あらゆる方向から、砂に描いた島を見た。


ストーリーメニュー

TOPTOPへ