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サバイバルヘルパー

第12章 ……な再会

 別の島に来ていたと思っていたのに、同じ島に流れ着いていた。これも、奇跡だと思った。


 俊輔は思った。


 もう、一生分の奇跡を使い果たしたと……。


 しかも、こんなにも早く小梅と再会出来たのが、なによりも嬉しかった。


「婆さん、ごめんな……あの時、いかだから突き落としたりして……でも、ああでもしなきゃ、婆さん降りれなかったし、俺もキツかったんだ。でも、突き落としたことに関しては謝るよ、本当にごめんなさい」


 俊輔は深く頭を下げた。


「……」


 だが、小梅はなにも返してこなかった。


 忘れているのか、それとも、まだ怒っているのか……。


「婆さん、なんとか言ってよ……まあ、この状態の時は、なんも言わないか……」


 話したいことはいくつかあった。


 でも、今の小梅に話したところで、たいした反応は返ってこないだろう。


 だが、これで振り出しに戻った。


 生活道具もバラバラだ。


「でも、0からのスタートだな……帰れると思ったんだけどな……」


 今日はなにもする気がおきない。


 動き回る気分じゃなかった。


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