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サバイバルヘルパー

第13章 新事実

「でも、中には私達の理解者もいてくれてます。その方々はいつも私達姉妹を助けてくれるんです」


「そう言えば……いつだったか、船が来てた。婆さん、追い返したじゃないか」


 小幸は落ち着かないのか、あっちこっちに顔を向けながら言った。


「知ってる人なの」


「はぁ?」


「仲間なの」


 俊輔は久美子を見る。


 久美子は軽く頷いて、口を開く。


「さっき言った、理解者の方々よ。二人でこの島を守ると言ったら、生活面でもお世話をしてくれているの。月に二回、漁のついでに、ここに寄って、衣類や食べ物、生活用具など、持ってきてくれるの」


「いや、そんな人が来るなら、俺を呼んで乗せてよ! 婆さん、俺、どれだけしんどい思いをして、生きてきたかわかってるだろぅ。久美子さんも、なんですぐ出てきてくれなかったのさっ!!」


 見ているだけで、ほったらかしにされたことに、俊輔は憤りを感じた。


「私もあなたといましたよ」と久美子が言う。


「はぁ?」


「姉がお風呂に入ったり食事したりしている時、あなたのそばにいましたよ」


 久美子は小幸と交代で、俊輔のそばにいたのだ。


 俊輔はそれに気が付いていなかった。




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