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サバイバルヘルパー

第13章 新事実

 長と旅館経営者は、一人ずつ、反対派を始末しようとしていた。


 長にとって、一番邪魔なのは、妻の小梅とその子供だった。


 そして、小幸の旦那は、小梅殺害の犯人を妻に押し付けようとした。


「私は真相を確かめようと、長の家に行きました。そしたら、声がしたんです。長の声で、妻と子供は始末したから、後は犯人にしたお前の女房が本土の警察に逮捕されるのを待つと……」


「酷い……島をリゾートにしたいために人を殺すのか? それも妻と子を……」


 俊輔は話を聞いて、長と小幸の旦那に対して、憤りを感じた。


「私は家に押し入りました。長はトランシーバーで、姉の旦那と話していたのです。私は逆上して……近くにあった石で……」


 久美子は顔を歪める。


 その当時の様子を、思い出したようだ。


 俊輔は思った。


『なにを聞かされているんだろう』と。


 久美子は長を殺害した。


 自分の利益と欲望のためだけに、妻と子を殺害し、弟の嫁までも罠にかけようとした長を許せなかった。


「私は……この手で長を始末したあと、遺体を井戸の中に隠しました。ですが、後からバレないように、引き上げて埋めようとしたんですが、井戸は深く、どうすることも出来ませんでした」



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