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サバイバルヘルパー

第13章 新事実

「えっ!?」


 俊輔は思わず声を上げた。


 あの廃屋は長が住んでいた家で、井戸で見た、白骨の遺体は長だった。


 そこで見た家族の写真に写っていた女性こそが、本当の小梅だった。


「ですが、その時、トランシーバーは繋がったままでした。そう、姉の旦那にも聞かれてました」


 久美子は、なにかにとり憑かれたように、淡々と話し続ける。


「ああぁぁぁーーっ!!」 


 小幸は頭を押さえて、ちゃぶ台にうずくまる。


「大丈夫か婆さん……」


「お姉さん、もう、すべて話しましょう。もういいでしょう」


 久美子は小幸の肩に、手をそえた。


「じゃ、久美子さんは、小幸さんの旦那さんも……」


「はい、私は休館状態の旅館の裏から入り、調理場で包丁を取りました。そして、一部屋ずつ探しました。ですが、すぐに見付かりました。そいつは、発電機のある物置に隠れてたんです。おそらく、なにかバレてはいけないものを片付けていて、旅館から逃げ遅れて、とっさに隠れたと思います」


「それって、ひょっとして……船舶免許持った人? たしか……名前が稲本幸三」


「あなた……知ってるの!?」


「遺体を見ました。そこに免許とかもありましたので……名前も確認してます」


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